よし、分かった!
- 出版社/メーカー: 東宝
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金田一ものは戦後すぐ、という時代背景がないと語れない物語なんだなぁ、と実感。結局のところ、専制的父権制家族=女は黙って男のいうこと聞いてりゃいいんじゃ、ボケェ、という時代に、好き勝手に自分の欲望の赴くまま(経済的にも性的にも)生きていった男の支配下で犠牲と成らざるを得なかった女性(と子供)が犯してしまった犯罪を、その愛憎を実感しつつ苦虫をかみつぶしたような表情をしながら、自白させる金田一、といった構成なのね。
どうしようもない虚無感を感じさせるラストを見事に笑いに導いた、横溝先生の演技はある意味すごいな、自分の作品の後味をぶっつぶしているわけだし。
ちなみにこれに諸星的黒い民俗学的蘊蓄を大量にくっつけると京極堂になるわけなんだな。