ポエトリー・リーディング

昨日、アイルランドで半年ほどだったが日本語と英語の言語交換会をしてくださった詩人、ミホール・オシール氏のポエトリー・リーディングに行ってきた。この手の催しに参加するのは初めてだったのだが、英語の詩の朗読って、日本語で行うのとかなり違う感じがした。もしくはミホールさんの読み方が特徴的なのかも知れないが。行とか、連とかで区切って読まず、流れるような、少し芝居を見ているような読み方で、文字を見ていると脚韻を踏んでいるのに聞いていると分からない…。読み方のリズムと、詩自身が持つリズムが、外国語であるとすっと入ってこないというか、そういう風に感じた。ネイティブにはどう聞こえるのかが不思議だった。
彼は、彼の詩の翻訳者である早稲田の清水先生によれば「アイルランド都会派」詩人だそうで、アイルランド、といわれてなんとなくぼんやりと浮かぶ「叙情」とか、「鄙びた空気」とか、「田園風景」とかそういうものが浮かぶものではなく、雑踏の中に行き交う人間観察、そういう感じがした。『アランの男』(古いけど)というより『ダブリン上等』あるいは『コミットメント』みたいな感じ。
もの凄くまじめなミホールさんを始めて見た気がする…。本来下ネタ大王な感じがするおじさんなんだがね。


ちなみに、彼が書いた現代アイルランド語を学ぶ上でほとんどの人が目を通しているLearning Irishというテキストが、関西の方で日本語に訳され、来年の1月あたりに出版される見込みらしい。関西って、京大のことかな?

Learning Irish, New Edition: Text

Learning Irish, New Edition: Text

古い方しかアマゾンジャパンでは買えないようだ…。昨年か一昨年に版が改まって、新しい方にはCDが付いている。


マダム・ジャズようこそ! (ミホール・オー・シール詩集 (1))

マダム・ジャズようこそ! (ミホール・オー・シール詩集 (1))

やはりアマゾン…ジャパンだとこれしか手に入らないようだが、昨月に同じ出版社から『アウシュビッツの彼方から』という詩集も出て、これとの絡みもあって来日なさったようだ。


文学には全く興味がなく、単に本が好き、という人間にとっては、少々場違いな場にいたような感じもしましたが、いい経験になりました。