五体合体、聖人ロボットだっ!

8世紀初頭に編纂された(ほぼ確定的)『アイルランド教会法令集(Collectio Canonum Hibernensis)』、第49書「殉教者について」、第10章「トランスラツィオ(移転)された殉教者の復活について」より。

オリゲーネス曰く、殉教者は灰のあるところにて復活するものと思うものもあり、骨のところにてと思うものもある。頭部のあるところがまことである。その場に四肢が集まるのである。エゼキエルは、骨と骨が互いに集まりて、それぞれが関節部に集まるところを見、腱と肉によって形作られ、その後に皮が広がるとの予見をなした。やがて、四つの風によりて聖霊がそれに吹き込まれるであろう。

という戦術ロボットの合体的、かなりグロな光景が最後の審判の日に見られることになるわけだ。更にこの聖人・殉教ロボは高機能で、まわりに埋葬された善き人々を引き連れて、天国に上げられることになる、というのが初期中世アイルランドにおける非常に純朴な「聖遺物崇拝」の片鱗、というわけ。
世の中には頭がいっぱい発見されてしまった聖人もいらっしゃるのだが、その方たちは地獄の番犬・ケルベロス仏教の守護者・阿修羅のような、頭を三つも四つも持ったお姿で復活なさるに違いない。