George R. R. Martin, A Storm of Swords, 2: Blood and Gold

A Storm of Swords: A Song of Ice and Fire: Book Three

A Storm of Swords: A Song of Ice and Fire: Book Three

氷と炎の歌』シリーズの第3巻、第2部、読了。ここ3週間ほど読んでいなかったので最初の方をかなり失念。ペラペラと見てみて、この巻の怒濤の展開を思い出す。第1巻及び第2巻で出てきた主要人物のかなりの人々が死亡。あるいは「登場人物の世代の交代」を強引に進めてしまったようにも見える。
最初期のスターク家の面々の、その後の激変がすごい。そして前部から続いてのファンタジー要素も健在。スターク家の子供達がそれぞれそのファンタジー要素と絡んできたところを見ると、今後の展開が気になる。
最後が「エピローグ」で締めくくられているので、これまで無かった何らかのオチが付くのかと思ったら、さらなる謎を深めて終了している、相変わらずの蛇の生殺し状態。そして「ああ、死んじゃったんだ」と簡単に思っていないことを思い知らされた終わり方であった。
第4巻は昨年の11月に出版されているが、ペーパーバック落ちするまでしばらく待ってみるつもり。ということはこのまま蛇の生殺し状態で半年ぐらい過ごすことになるのか・・・。


ここよりネタバレ。とりあえず死んでしまって驚いた登場人物達。スターク家の長男で、「北の王」を僭称(と書くとどこの王が正当な王か、という問題になってしまうが、話の初めでは七王国を統べるのは一人の王であったので、敢えてこう記述)していたRobbが、叔父であり、母方の祖父の後を継いでRiverrunのlordとなったEdmureの婚姻の宴で、母Catelyn、大狼Grey Windと共に殺害。さらに彼の敵の一人であり、彼の父の処刑を決定した若き七王国の王Joffreyが、自らの婚姻の席で毒殺。しかもまだ犯人が分かっていない。さらにその関連で、第1巻で暗殺未遂となったスターク家の次男、Branの殺害を命じた人物がJoffreyであったことが明らかとなる。矮人として生まれてきた故に自分を愛さなかった父、Casterly Rockのlordであり、Joffrey王の外祖父にして「王の手」(宰相の様なもの)を、「小人」Tyrionが、王殺し(さらに親族殺し)の濡れ衣で処刑される直前、兄によって逃亡を手助けされた途中、殺害。王側の政治的策略によって結婚した、王国の元の財務長官(Master of Coin)Petyr Baelishが新婚の妻、Catelynの妹Lysaを殺害。しかもその直前に、第1巻からの謎であったLysaの前夫、Jonの毒殺の犯人が彼女自身であったことが判明。死んだとは書かれていないが、Joffreyの腹心であったが王都での戦の最中に逃亡したHound(あだ名)が半死の状態で放置(しかも紆余曲折の末に同道していたAryaによって)。でも死んだ、とは書かれていないので、今後現れるかも。そして上述したCatelynがどうやら助かって生きていた模様、で終了。
スターク家の激変;第1部で第三の目を獲得したBranは秘密(しかも魔法的な)の扉を通って北の境、秩序ある人間の土地と秩序無い、法の外側にいる野人(Wildlings)や巨人、そして謎の、動く死体を作り出すOthersらの地とを分ける「長城(Wall)」を越えて、あちら側へ行ってしまうし、Aryaはとうとう一人になってどこに行くか分からない船に乗船しちゃうし、Sansaは彼女の母に長い間執着していたPetyrの奸計によって別人となって(=違う名前を与えられる)、彼の妻殺しの場面にいるし、Jonは長城の責任者、Lord Commanderに選出されるし(末っ子のRickonはその後どうなったか不明)。本当に怒濤の展開。