終わった

プレゼンが終わったのはいいが、終わった瞬間から違うことがやりたくてしょうがないモードになる。だいたい、なにゆえmanachという、修道士を意味する時もあり、「教会領地民」=しょせんは俗人、を意味する時もある言葉を一次史料が全部拾い上げてー、なんてプレゼンをしたかといえば、7〜8世紀の墓地の変遷をやりたかったからじゃないか! そのために当時の俗人のメンタリティーを探るには、わりと分かり易いであろう(と思いたい、という気持ちが切実)manach達に視点を当てた方がいいだろう、と思ったからだ。そうじゃないと実際の(教会側の理想ではなく)司牧の相手、その範囲、という、解決しにくい、そしてあんまり関わりたくない問題に、どうしようもなく直面してしまうからで。
それをさらに社会全体の変化、という問題とも絡めて、最終的にはアイルランド初期中世教会(組織としての。でも全体の組織、というのはまた別問題そうだな)の形の完成、とかで落とせないかな、と甘ーーく構想していたのだ。でも今は俄然、死体についての中世人のとらえ方、という問題がやりたくなった。一つの原因は今日大学であったちっちゃい学会(というか研究会)のテーマが「死体」だったこと。私の指導教官も発表なさったが。初期中世だとこの問題はあっという間に「聖遺物」になるわけで。
で、面白いのがrelic(聖遺物、ラテン語でreliquia)。元々「後に残されたもの」という言葉だが、宗教用語で特に聖人の死体、つまり「聖遺物」になったわけだが、これの古アイルランド語化した言葉がreilic。この言葉の意味は、『Dictionary of the Irish Language』(古アイルランド語の辞書)だと、「1,墓地 」になるのだ。特に、教会に接するキリスト教の墓地。2つ目の意味が「聖遺物」。でも扱いは小さい。そうすると、(ってこれはすでに二次文献に散見する話なので、なんの新鮮さもないが)「聖人の埋葬された場所とその周囲」が「聖なる場所」として、認識されていた、ってことが、言葉の上から見られる、ということになる。
ということも絡めてやろうとすると「聖人とは」とか、「聖遺物とは」とかという話になってしまって、さらに読まなきゃいけない基本文献がどっと増えてしまって収拾がつかなくなりそうなので、どうしたらいいのか困っているのが現状。解決策の一つが「これで博士論文まで引っ張る」か。ともかくピーター・ブラウンはちゃんと読まないとけなさそう。やだなー、読みにくいんだよなー。日本語版を買っちゃおうかなー。 後々まで使うかもしれないしなー。


お、お金が・・・。