『七剣(Seven Swords)』

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元々数週間前から『Memories of Geisha』(邦題『SAYURI』)を見にいくつもりであったが、諸々の理由によりうまくいかず、今週末こそは、と思って調べてみたら、木曜日に終了していた。
というわけで、一緒に見にいくつもりであった友人が違う映画を見る、というので、ご一緒させてもらった。『HERO』の監督、ツイ・ハークの映画、『Seven Swords』という中国映画。英語の字幕付きだ。
実際、母国語でない字幕を読みながら映画を見るのは難しい。初めのうちは、話を掴むために必死になって読んでいたが、映画自身はアクション映画、しかも展開が非常に速いので、字幕を読んでいる内に目にしていない映像が。なんだか激しく動いているらしいが、台詞もバンバン出てくるので、読む。読む。読む。画面の下ばかり見ていた初めの30分ほどだった。
どうやら日本では公開済みだったらしい(知らなかったが。おそらく、こちらに来てから公開されたのだろう)。内容は、清朝になってすぐの中国で(これは字幕と衣装で分かった。なんかうれしい)、マーシャルアーツを禁じる「禁武令」というのが発布され、それによって国の軍の一部(らしいのだが、どう見ても、時代的には合わないが「軍閥」という感じ。制圧するか、代わりに金を出すか選ばせ、金を集めまくっている集団に見える)が激しくマーシャルアーツを生業とする村々を攻撃、女・子供・年寄り関係なく殺戮する、という背景。そしてその危険を知らせに来た旧王朝で圧政を敷いていた役人。彼はある村で処刑されそうになるが、村の一人の女性によって助けられる。彼女は同じ村の青年と共に彼を逃がすが、その時「天山」(これが本当の「天山山脈」を指すのか、ただの「天に通じる聖なる山」を意味するのか分からない)に助けを求めるべき、とその役人に言われ、3人で向かう。そしてそこでMasterと出会い、七本の聖なる剣(魔剣、と言ったほうがいいかも)を授かり、その3人とMasterの下にいたらしい4人と共に、制圧軍の近づく村を助けに返る、という話の始まり。はっ、と気がついたらいつの間にか7人が馬に乗って駆け出してるよー、なんでー、という私の疑問を無視して話はどんどん進む。
まあそれでいろいろあって、みんなが助かるわけでもなく、村の子供達以外は裏切り者によって殺される、という、あまりハッピーな終わり方ではないが、アクション的にはかなり異色。ワイヤーアクションほとんどなし、剣と剣とのぶつかり合い、がほとんど。でも、やっぱり殺陣はチャンバラの方がよい、というのは日本人だからか? 流れるような武術、ではないのだ。力業な剣術が多い。まあ、どうも見た感じ、剣が主役であって、剣士の方は剣についてる、みたいな部分もあるから、剣士、というわけではないようなので、それはそれでいいのかもしれない。
中国語がまったく分からず、韓国語を話していた美人女優がいて、誰だろー、と思っていたら、「イブの総て」とかいうドラマに出ていた女優だそうだ。日本でやってたけど、ドラマは全般的に苦手なので見ていなかった。あと、彼女と唯一言葉を交わせる「元朝鮮半島からの奴隷」役「Dragon」の俳優、韓国語がイマイチ韓国語っぽく聞こえないな、と思っていたが、やはり韓国人ではなかった模様。でも一番強い、という設定で、ザンバラなんだけどサラサラ長髪ヘアーだし、敵の総大将との最後の一騎打ちで、仲間の剣を借り(自分の剣は相手にとられていた)、仲間に「下がっていろ、おれはおれのものを自分で取り戻す(by English)」といったところはステキー、だった。


アクション一本に絞った中国映画って、漫画みたいなわかりやすさと、少々やり過ぎな感じがするところが好きだが、聖剣だか魔剣だか、という設定だけで、なんか『風魔の小次郎』みたいではあった。アクション映画であって、カンフー映画ではない、中国映画。『HERO』と違って、泥臭くってなかなか良かった。


ちなみに、最後のシーンは、7人が「この悪令を出した奴らのところに向かうぞ(要は、北京)」という、少年ジャンプ的「俺たちの冒険は、まだまだ続くのだ」終わりだったので、監督は次回作作る気満々、と見た。友人もこれには同意、「Seven Swords in Beijing」とタイトル予想までしてみてくれた。