河内源氏
- 作者: 元木泰雄
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/09/22
- メディア: 新書
- クリック: 34回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
新書というサイズで、河内源氏の誕生以前、具体的には清和天皇の孫から頼朝決起までを描く、というのはかなり無理があるなぁ、という印象。著者は積極的に清和源氏のさまざまな源氏の発展(大和源氏とか美濃源氏とか)と、平氏のさまざまな発展、天皇と上皇との関係、摂関家との繋がり、などを盛り込んで書いているので、だんだん誰が誰やら分からなくなる。系図は付いてはいるが系図で追いつけるわけもなく、そのあたりをざっと読みすると河内源氏の、嫡男となった誰それがどうなり、誰それは何をし、誰それがどう動いて、義朝は死亡し、頼朝が決起した、みたいな流れしか分からなかった。彼らが何を考えていたのか、その背景となる社会状況とかがあんまり書かれていないからかもしれない。分量的にしょうがないんだろうなぁ、とは思うが、これより前に読んだ本が重層的に社会状況、政治状況、平忠盛の心情を懇切丁寧に説明してくれたものだっただけに、ものすごく表層的にしか分からなかったのがとても残念。ある時突然信西が「後白河の乳母父であった」とか出てくるので面食らう感じ。
私の理解力のせいもあるのだが、前九年合戦とか、後三年合戦とか、結局よく分からなかったし、特に後者はまったく理解不能であった。
日本史は難しいなぁ。