ゾウの時間ネズミの時間

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

ゾウの時間 ネズミの時間―サイズの生物学 (中公新書)

これも一時期平積みされていたベストセラー。そしてこれは期待に違わず面白かった。
体の大きさにかかわらず、すべての哺乳類は心臓が20億回鼓動するのが寿命、小さな動物の方が鼓動のスピードが速いから小さいほど寿命は短い、ということが非常に興味深くて読み始めたが、それだけではなく、なぜ寿命が短いのに小さい動物が生き残っているのか、大きな動物であることの利点や不利な点とは、なぜそういう風に進化したのか、と、体の大きさを基点にして生き物のそのデザイン性と、合理性に素直に感動できる良質のエッセイでした(後半の特に3章はタイトルに合わない蛇足的な話ではあったがそれはそれでまた面白い話だった、特に棘皮動物の異常な感じとか)。
これはなかなかによい本。