ウロボロスの古写本

ウロボロスの古写本 上 (ハヤカワ文庫 NV ク 20-3) (ハヤカワ文庫NV)

ウロボロスの古写本 上 (ハヤカワ文庫 NV ク 20-3) (ハヤカワ文庫NV)

確か以前にある方から借りて、長い間積ん読になっていたので読み終わらないと、4月から新年度だしね、と思って読み始めたのだが、なぜにこのタイトル。タイトルでネタバレじゃないですか。なんとなくなんの写本なのか想像付いちゃうし、どうも想像通りっぽそうだし。原作のThe Sanctuaryをもう少し上手に使えなかったのかや?
訳文も気になる。所々「そのままの訳じゃなくて文脈に沿った方が良いんではないのか(原著を確認してないので言い切れないが)」という部分も見受けられるし、方々に見られる「〜であった。〜〜ではあったが。」というthough文のそのまま節順(これも原著を以下同文)。効果的なところもあるが日本語としてどうしても馴染みにくいし。効果をねらっているところ以外は普通の語順に直して欲しいなぁ、though文は通常付け足しであるが日本語だと何らかのフラグとか伏線張りとかわりと重要な役割のある語順なんだがなぁ、と思う。
あと意味が分からない文がいくつかあったのはわたしの読解力が足りないのであって、きっと接続詞の訳し間違いではないわよね、と思ってそこはスルー。
話としてはダン・ブラウン二匹目のどじょうではないよ、美術系の話ではなくてもっと歴史的な話をしかも現在の政治状況も絡めているんだよ、しかもどうも作者はもともとレバノン生まれのようだし、というのはいいのだが、知的好奇心は毛ほども動かされず。
作者の第一作目は原著で持っているが、アッコン陥落時は面白かったのだが現代に移動してからのトンデモ展開で読むのをやめて放置したままだわ。あれの方が原作のタイトルをなぜ使わない、と思わせた。


ともかく考古学者が無事に発見されると良いね、ということで下巻は読む。