美術史の中の聖遺物

聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社選書メチエ)

聖遺物崇敬の心性史 西洋中世の聖性と造形 (講談社選書メチエ)

聖遺物の聖性から始まり、それを「視覚化」するための装置としての聖遺物箱にに投影された聖性をはさんで、最終的にはルネッサンス初期の美術家の聖性へと流れる、美術史からのアプローチとしては非常にきれいにまとめられた本。視覚に訴える、ということの重要性を最近ヒシヒシ感じているところへ、その最も端的な例を歴史学の分野から徐々に美術史へと運ばれていき、蒙が啓かれた。注も一般書とは思えないほど多く、参考文献も豊富。ドイツ語読めるようにならなきゃ・・・。
終章の注がなぜか3からずれているのが残念。最後の注が宙ぶらりんになっていた(どのあたりの中段かは分かるんだけど)。