きゅんきゅん

久しぶりにあった友人が「きゅんきゅんする」というので積ん読の中から発掘して読んでみた。

空色勾玉 (トクマ・ノベルズ EDGE)

空色勾玉 (トクマ・ノベルズ EDGE)

日本の古代、光と闇の対立、そこにいるのは伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)らしき神の対立、前者の子供三柱(天照とかと思わせる神々)、都とまつろわぬ民、というわりとありがちな設定。『イティハーサ』をふと思い出して嫌な気がする。さてこのよくある設定をどう料理するのか。
光と闇の対立の原因が結構意外。愛よね、愛、という感じ。
ただなぁ、わりとサクサク進行しすぎる感じがするんだよなぁ、展開早くてガンガン読めるんだが、主人公の女の子の心情の変化が結構唐突すぎて少々物足りない感じ。もう少しいろいろ逡巡してほしかったのだ、地の文とか心のセリフとかで。自分のもともとの血筋とか運命とかについて悩んでいたのにかなり唐突に受け入れてしまったあたりでちょっと虚をつかれた。もうちょっといろいろ悩んでから覚醒するのかと思ったのに。というわけであんまり覚醒したっぽくないし、実のところ覚醒したのかどうかも分からないし、ヒーローはというと性格上感情がほとんど表れず、男の香りが全然しない。天然で初めは無垢だけれども徐々に自分に生まれる感情(愛だろ、愛)に驚くヒーロー、みたいな描写もなくこのヒーローとヒロインの恋愛話が最後の佳境のところでいきなり盛り上がって大団円で終了。え〜〜〜〜〜。
最後のヒーローのセリフが途中で言いそうなフラグたちまくりでしかもその通りのところもちょっとな。
というわけでわたし的にはあんまりきゅんきゅんしなかった。もうちょっと両者の心の葛藤とかあってからパーッと燃え上がる系が好きなのであった。
でも続巻を買ってしまった・・・。今度こそきゅんきゅんできるかもしれないという淡い期待のために。



友人にわたし的きゅんきゅん漫画とか小説を送りつける約束になっているのだが(すいません、まだまとめてません)、彼女とはこの手の話はあんまり一致しないのかと思うと、彼女のわたし的きゅんきゅんに対する感想が非常に楽しみであるので、来週中にまとめて宅急便しよう。