梨木香歩『家守綺譚』

家守綺譚 (新潮文庫)

家守綺譚 (新潮文庫)

なんとなく惹かれて買った本読了。短編集と知ったのは実際に手元に届いてから。亡くなった学友宅に「家守」としてやってきた成り立て作家のちょっと不思議な日常をつづったもの。庭の木に惚れられたり、庭の池にカッパが遊びに来たり、タヌキにお礼されたり、そして亡くなった友人も遊びに来るが、なぜか主人公以外「当たり前」と捉える、そんな時代不詳な物語(おそらく明治後半とか大正とかそんな時代)。派手さはないが、淡々と進んで、読了感はかなり清涼感がある。
夜寝る前に一遍や二編を読むのにちょうどいい本だった。