畠中 恵 『ぬしさまへ』

ぬしさまへ しゃばけシリーズ 2 (新潮文庫)
今読んでる洋書にいまいちのめり込めなくて(苦手なミステリーであること&突っ込みどころ満載過ぎてつらい)、この間買った和書に手を出してしまった。
前作とはうってかわって短編集。病弱な大店の若旦那が妖怪使って「安楽椅子探偵」しているのは一緒。

「若だんな、これは申し上げておきますが」
「なんだい、仁吉*1や」
「あの女が言うように、鬼が全部、物恐ろしい訳ではありませんよ」
(地の文省略)
「わかっているさね」

江戸言葉、ええわぁ。
ちなみに主役の鶴太郎は相当気に入らなかったが、テレビ朝日系でやっていた時代劇、「八丁堀の七人」の村上弘明の江戸言葉も、色気があってよかったわぁ。文字にすると若干オカマチックになってしまうのがガンであるが。一人称が「あたし」とか「わたし」とかだしな。逆に女が使うと男気(本当は漢と書いて「おとこ」と読ませたいぐらい)あふれる感じになってよろしい。cf.「御家人斬九郎」の深川芸者、蔦吉姐さん(若村麻由美)。良い女優だったのに、若村麻由美・・・。何も妖怪海坊主と結婚しなくても・・・。

*1:主人公の病弱若だんなにくっついている、本当は大妖である、手代